死ぬまでのひまつぶし記録

周りの人とのおしゃべり

麒麟博士と朝

友達4人を家に泊めた次の朝であった


私がみんなより早く起きてオムレツを作っているときに麒麟博士もモゾモゾと動き始めた


前に一度作ったあと、こいつが作るオムレツがうまい、こんなホスピタリティを感じるお泊まりは初めてだとやたら褒められたので
人がお泊まりした次の日は早起きしてオムレツを作るのが習慣になってしまった

 

卵を解いていると(因数分解ではないが卵は溶くというより解く(ほどく)がしっくりくる)
麒麟博士が無言で私の横に立った


おはようと言うと
あ、おはよござます
と思い出したように言い、「今走ってここまできましたよ」という感じで肩を揺らしている
彼なりの朝の体操である

 

音で起こした?すまんね と言うと
いや、自分結構前から起きてましたから
と言う

 

まだ寝てていいよ と言っても同じ答えが返ってくる。起き抜けの麒麟博士は決まったいくつかのパターンの会話しかプログラミングされていないロボットなのである

 

 

会話が終わっても私をの横で無言で肩を震わせているので
もしかして手伝いに来てくれたのか?ときくと
そうだよ、手伝いに来ましたよ と答える

 

え〜めっちゃ優しいやつやんそれは と言うと
そうだよ、俺は優しいんだよ と答える

 

 

このやりとりを読んだひとは麒麟博士を傲慢なナルシストだと思うかもしれないが
麒麟博士の言葉に思惑はない。その文字数分の情報が乗った信号を 合図に合わせて打ち出しているだけである。プログラミング通りに会話する人間と話すと独特なリズムが生まれるーそのリズムが私は嫌いではない。

 

 

─じゃあわたしの代わりに洗い物してそこのゴミ捨ててきてくれる?
─それは無理

麒麟博士はルンバではないようで。