死ぬまでのひまつぶし記録

周りの人とのおしゃべり

麒麟博士と朝

友達4人を家に泊めた次の朝であった


私がみんなより早く起きてオムレツを作っているときに麒麟博士もモゾモゾと動き始めた


前に一度作ったあと、こいつが作るオムレツがうまい、こんなホスピタリティを感じるお泊まりは初めてだとやたら褒められたので
人がお泊まりした次の日は早起きしてオムレツを作るのが習慣になってしまった

 

卵を解いていると(因数分解ではないが卵は溶くというより解く(ほどく)がしっくりくる)
麒麟博士が無言で私の横に立った


おはようと言うと
あ、おはよござます
と思い出したように言い、「今走ってここまできましたよ」という感じで肩を揺らしている
彼なりの朝の体操である

 

音で起こした?すまんね と言うと
いや、自分結構前から起きてましたから
と言う

 

まだ寝てていいよ と言っても同じ答えが返ってくる。起き抜けの麒麟博士は決まったいくつかのパターンの会話しかプログラミングされていないロボットなのである

 

 

会話が終わっても私をの横で無言で肩を震わせているので
もしかして手伝いに来てくれたのか?ときくと
そうだよ、手伝いに来ましたよ と答える

 

え〜めっちゃ優しいやつやんそれは と言うと
そうだよ、俺は優しいんだよ と答える

 

 

このやりとりを読んだひとは麒麟博士を傲慢なナルシストだと思うかもしれないが
麒麟博士の言葉に思惑はない。その文字数分の情報が乗った信号を 合図に合わせて打ち出しているだけである。プログラミング通りに会話する人間と話すと独特なリズムが生まれるーそのリズムが私は嫌いではない。

 

 

─じゃあわたしの代わりに洗い物してそこのゴミ捨ててきてくれる?
─それは無理

麒麟博士はルンバではないようで。

麒麟博士と麺類大佐の紹介

 

友達を紹介したい

 

わたしには、暇になった時にしょうもないことを送れる友達が3〜4人いる

そのうちの1人が大学の友達である麒麟博士だ。

麒麟博士はかなり賢い。ボドゲに強い感じの賢さだ。

 

常に無表情であまり自分の意見を言わないので

最初にあった時は中二病を患っているのかと思ったが、斜に構えているように見えても 麒麟博士は実は世の中への肯定と慈愛に満ちた優しきAIのような男である。

 

趣味は言語学、コーヒー、音楽(フルートを最近始めた)、ゲーム、たまに絵も描いているようだ

 

 

もう1人の友達は麺類大佐といって

温厚で真面目で優しい女である。同じく大学の友達である。

おそらく"メガネをかけた頭の良さそうな女"というテーマで絵を描いたらそれは麺類大佐に似るだろう

麺類大佐の趣味は特定のアジアの麺類をすすることである

麺類大佐はたまにすごく焦る時がある

一見さんにはわからないが、慣れると麺類大佐の中に渦巻く焦りに気付くだろう

麺類大佐が焦る時は大体「自分のせいで他人に迷惑をかけるかもしれない」と思っている時であり、それは大抵杞憂なのでめちゃくちゃいいやつということになる

 

 

 

麒麟博士と麺類大佐と私

この3人のライングループでは基本的に毎日100以上のメッセージのやり取りが行われている

 

 

 

鯨くんと箱根へ

 

箱根へ行って驚いた。吹雪である。

 

泊まった旅館の送迎バスで強羅駅まで来たはいいものの、そこからのケーブルカー、電車、バス、タクシー、全て足止めとのことで

5時間ほど強羅駅近くの避難所で過ごした。

こういう避難所は初めてである。

 

フジテレビの取材が来たり、近くの売店で饅頭を買って食べたり、鯨くんと絵しりとりをしたりして暇を潰した

スマホの充電がなかったらと思うとゾッとするが、フル充電していたおかげで退屈せずに過ごすことができた。

 

私は前箱根に来た時も噴火で足止めをくらい、箱根に関しては何か持っている感じがある

 

こんな災難の中、鯨くんのええとこが見えたので紹介したいと思う。

 

避難所に避難する前(頭痛が痛い、みたいで嫌な表現だな)

私たちは売店の雨よけで雨宿りしていた(これも嫌だな)のだが

目の前の踏切の前で一台の車が雪にはまり、タイヤが滑って立ち往生しているのが見えた。

 

鯨くんは私に傘を渡し(ダジャレではない)

無言で車の方へ走っていった

 

鯨くんが車へたどり着く少し前に、車は進めるようになったようで

たどり着く頃には車はもう去っていた

鯨くんは何もできず雪に降られて戻ってきた

 

私が地元の人ならすぐに走って行ったかもしれない。知り合いの車ならすぐにかけよって、車を押してあげただろう

観光地に遊びに行って、雪に降られてまで車を押しに行くか?

私がこの鯨くんの一連の行動の中で気に入っているのが

私に何も聞かず、相談せずに助けに行ったところである

私からの評価が欲しいわけでも、私に言われたからでもない。もし私にどう思われようが困った人を助けに行きたいという自分の意思を尊重したところ、

そしておそらく、「相談しなくてもこの人もきっと助けに行くことに肯定的だろう」と私に対して思ってくれたところが

 

鯨くんの性格の良さだけでなく、私たちの関係性の良さまでもを表しているのだ

 

 

鯨くんのいい一面は見れたが

箱根には寒い時期にはもう行きたくない

 

 

鯨の指の考え方

鯨くんに新しいネイルを見せた

親指から

ベージュ、ベージュ、茶色、茶色、茶色だ

親指と人差し指は使う指なので、濃い色のネイルをすると消耗がわかりやすいため

いつも目立たない色か透明のネイルをするようにしている。

 

 

 

鯨くんは考えてから「どうして外側の三本だけ色がついているの?」と聞いた

鯨くんは言語感覚が面白い。わたしにはない考え方だ。

わたしがこの爪をみてもし質問を考えろと言われたら「どうして親指と人差し指だけ色がついてないの?」だ

 

その理由として

①ジャーン、と見せてくるからには色がついている爪を見せるだろうなという先入観がまずあるので、色がついていない爪のほうが異端→疑問に思う

②指の本数から言っても色がついていない爪のほうが少なく、そちらを疑問に思う

などが挙げられる

 

 

今回の会話で

鯨くんは色がついている爪に疑問を持ち、

中指、薬指、小指を「外側の3本」だと捉えているということがわかった

世紀の大発見である